「雛人形を早く片付けないと嫁に行けない」
もうすぐ雛祭りです。誰でも1度は「雛人形を早く片付けないと嫁に行けない」という内容を聞いたことがあるのではないでしょうか。
当然、この命題が「真」であるわけがないのですが、敢えて考えてみます。
「雛人形を早く片付けないと嫁に行けない」の命題
雛人形を出し入れする人が本人の場合と親の場合がありますが、自分で出し入れできるようになって、親から言われるシチュエーションが一般的なので、そこは分けずに考えてみます。
また、嫁に行けなくても婿に迎える手があります。一般的には結婚できないという意味なのですが、そこは分けて考えてみます。
- 雛人形を早く片付けない女子は、結婚できない
- 雛人形を早く片付けない女子が結婚するには、婿を迎えるしかない
というところでしょうか。
しかし、この言葉が生まれた背景として、女の幸せ=結婚という価値観があったことは想像に固くありません。今は嫁に行く以外の幸せがいっぱいあるので「婿が来ればいい」とか「結婚できなくてもいいもん」と、子供にあっさり反論されそうです。ということで、書き換えます。
- 雛人形を早く片付けない女子は、幸せになれない
結局、嫁入りと婿迎えを分けた意味がありませんでした。
「雛人形を早く片付けないと嫁に行けない」の対偶
これはあっさりと
- 幸せになれる女子は、雛人形を早く片付ける
です。
命題の時点であまり気にならなかった「早く」という言葉が、対偶にした時点で実際にどれくらい「早く」なのか気になる文になってしまいました。脅しの文章だと聞く耳を持たないですが、前向きな文章だと受け入れられるってことですね。
「雛人形を早く片付けないと嫁に行けない」の考察
気になる「早く」ですが、その理由は雛人形のルーツにあります。
大雑把に言うと厄祓いですので、厄を引き受けてくれた人形を処分する、つまり片付けないといけません。しかも、できるだけ速やかに片付けた方が厄祓いの効果も早く表れるわけです。
さらに、この厄祓いは男女の区別がないので、やはり「嫁に行けない」よりも「幸せになれない」の方が意味合いが正しそうです。
「雛人形を早く片付けないと嫁に行けない」の結論
最終的に対偶は
- 幸せになれる人は、ちゃんと厄祓いをしている
となります。
本当に幸せそうな人は周囲への感謝を忘れずに表現していて、その感謝が巡り巡って幸せとなって戻ってきているものです。
命題が「偽」である前提で進めてきましたが、感謝を忘れないということが厄祓いに通じる行為だとすれば、
「雛人形を早く片付けないと嫁に行けない」は「偽」ですが、広義では「真」です。
以上